地を這う者に翼はいらぬ的なことを言おうとして失敗した。自損事故りました。
電柱やガードレールにぶつかったら自損でも警察に届けなきゃだし（というか公共物を破損した時点でそれは厳密には自損とは言えないのではないか）、未舗装の悪路にタイヤをとられて……だとその道路を管理する団体（たいていは公道だろうから地方公共団体か）に賠償を要求するという当たり屋チックな技も使えるらしい。
そんな中途半端な自損事故ではない。完全なる自損事故です。わだち（自然現象）にタイヤをとられ、雪山に突っ込みました。
わだち、雪国以外のかたにわかってもらえますか。基本、逆らっちゃいけない道です。人間が車という麻薬のような乗り物を生み出したがために大自然さんが形成せざるを得なくなった道です。悪いのは人間。自然派ママ、知ってる。わだちに逆らうもの、神に裁かれる。それ、大自然の掟。（原理主義的な自然派ママはたぶん車に乗らない）
こちらが事故現場です。雪しかない。誰も傷つかない、優しい世界……(車は壊れた)
バンパーに穴が開きボンネットが浮く。グリル完全破損。自動車メーカーのキラキラしたヘッドマークもどこかにふっとんだ。雪かたい。自然すごい。
落ち着け……落ち着け……と自分に言い聞かせつつ修理工場へ行ったらニンテンドースイッチをもう1台買ってなんならあらゆる周辺機器も揃えちゃう？ くらいの出費が確定しおおお落ち着け落ち着けこここれは混乱は混乱で制するんだ……！ と向かったのはTSUTAYAでした。
並のTSUTAYAじゃない。代官山や函館にあるCCC直営の蔦屋書店を思い出してほしい。あれを見本にフランチャイズの株式会社日光堂升井商店さんがおしゃれTSUTAYAを札幌へ輸入しました。
この公式サイトから溢れる、3日以上フロ入ってないやつもうgoodnight宣言
TSUTAYAのBOOK&Caféといえばスターバックス一強。もうスタバはオタクにとってぜんぜんこわくないところだよ。スタバの店員さんはどんな原生人類も差別せず優しいし、もはやマクドナルドより入りやすいチェーンだよ。しかし美しが丘TSUTAYAは違う。円山の本店は全国から巡礼の民が訪れることでも有名な、札幌を代表するカフェ、森彦（MORIHICO）が入ってるんだよ……。
わかった、風呂はいってくる
入店したわたしは混迷を極めました。おおお落ち着け、狙い通りだ。思った以上の混乱だ。パン屋とコーヒー屋のカウンターはべつだ。2回もオシャレな店員さんに対峙する必要がある。どこからどう頼めばいいのかわからないオシャレさだし近寄らないとメニューが確認できない。息も絶え絶えにカウンターへたどり着いたところで、オシャレな店員はデカいメガネをかけて髪がモジャモジャした男性だったりデカいメガネをかけてアシンメトリ黒髪の男性だったりする。まばゆさで心不全を防ぐには目を合わせないのがコツだ。というか頼まれても直視できない。
上の写真のように腰を落ち着けるまで店内を5周くらいして30分ほどかかっている。自分の匂いを店中にマーキングしてからのほうが安心だったからとかではない。欲しい新書があったのだが、みつけられなかった。この店には「新書の棚」という概念がなかった。該当のジャンルなり作家名なりのところに単行本と新書と文庫が等しく並べられている。たぶんこの書店に信頼をもって通う常連になればすごく使いやすいし良い本との偶然の出会いがめちゃめちゃありそう。
- 作者: 前川ヤスタカ
- 出版社/メーカー: 宝島社
- 発売日: 2016/12/10
- メディア: 単行本
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探してたのはこれ。タイトルが出てこなくて今モニタの前でも30分を浪費した。PCで検索できるという好条件を与えられてなお30分かかったんだから、もし昨日の店に新書の棚があったとしてもみつからなかった可能性は高い。というか新書ですらないし！ ひょっとしてタイトルや判型を思い出せないまま探すタイプの私にはカテゴリごとで割り切られてるこんな店のほうが向いているのでは？ いちばん向いてるのは、ものを尋ねやすい書店員さんがいる書店ですね……「年末年始あたりに出た、なんか頭のいい子が虐げられる社会、みたいな雰囲気の新書を探してるんですけど」で「(新書じゃねえし…)」と思いながら該当の売り場に連れてってくれる書店員さんはたくさんいるはずだ。
帰宅後、ガラスポットを割った。「ダメなときは何をやってもダメ」の教科書に載れる。
オシャレスポットの混乱で事故のことを忘れて寝たつもりだったんですが、翌朝起きたら余裕で覚えてましたね。アチャーってなりましたよね。
犯人は必ず犯行現場に戻る。
なんかささってますね。ひろいますね。
ん……？
発掘した！
焼け石に水
頭を抱えているうちに確定申告の期限が過ぎました。今世がこんな調子では来世も期待が持てない。いま神様が私の来世の候補で打線を組んだらことごとく虫。とか書いたら虫差別だろって謎の棍棒で殴られる世の中です。がんばりたい。
